千年の追憶【完】
「雪路(ゆきじ)様がお見えです。
お通ししてよろしいですか?」


「…はぁ。
俺は居ない事にできないか?」


小さくため息をついた。


雪路は隣村の村長の娘で、飽きもせずほぼ毎日俺に会いに来る。


半月程前の視察の途中に、足をくじいて困っていた雪路を助けたのがきっかけだった。


やんわりと遠回しに断っても、真っ向から断っても、俺の嫁になると言ってきかない。


利口なのか、馬鹿なのか。


俺の話を自分の都合のいいように解釈する女だ。


ある意味すごい。


< 65 / 203 >

この作品をシェア

pagetop