彼氏の余命を知ってる彼女。
「このデス・クロックに印されているモノは人間だ。性別は男。歳は十六。
一九九五年八月九日生誕。名は────」
「ちょっと待って!!!」
死神が名前を発表する寸前に私は大声を出し、それを止める。
あまりにも大声を出し過ぎたため、息切れをしてしまう。
そんな私を見て死神は鋭い瞳を細めて私を睨んだ。
「…なんだ」
「待って…っ。名前を言わないで…」
──嫌な予感がした。
胸の奥がズクズクと何かに押されるような気持ちの悪い予感が。
歳は十六。生年月日は一九九五年八月九日。
それを聞いた瞬間、私の中である人物が過ぎった。