彼氏の余命を知ってる彼女。
頭の中にクエスチョンが浮かぶ私を置いて死神は話を続ける。
「その人間は日本人の女だった。君よりも少し歳が上で気の強い女だった。その女は君と同じ境遇だった。デス・クロックに印されたのは彼氏というやらで、その彼氏を死なせないために何度もここへ足を踏み入れていた」
…本当に私と全く同じだ。
だったらこの人が彼氏を助けるのに成功しているなら、私はヒカルを助けられるのかもしれない!!
私は死神の話を聞いて希望が持てたが、すぐにそれを崩されてしまった。
「…君のように身代わりの方法や、死因についても教えた。だが、彼氏の余命が後一日ってところでまたここへやって来て我にこう言ったのだ。
『死神さん、私ね、彼を助けるのはやめたの。
私、もう耐えきれなくて彼にこの世界の事や、余命の事を話してしまった。
信じてもらえないと思ったのに、彼は私に『ありがとう、話してくれて』って笑顔でそう言ったの。
だから私は決めたんだ、彼と一緒に死ぬって。
…ごめんね、沢山ここに来て沢山質問して迷惑かけちゃって。でもそれは今日で本当に終わり。お礼と言ったらあれだけど、死神さんにこれをあげる』
そう言って女から渡されたのがあの珠だ」