彼氏の余命を知ってる彼女。


「一番…ならば家族というものか」


「家族とは違うかな。家族みたいに血も繋がってないし、他人だけど、一緒にいて幸せを感じられる人のこと」


説明しながら私は、ヒカルと一緒に歩いている所を思い浮かべた。


たわいない会話をしてるだけなのに、ヒカルの隣にいるだけで幸せを感じられるんだ。


それは家族の誰にも与えてもらえないヒカルだけが私にくれる幸せ。


「…彼氏、か。ならばそれは良いものなのだな」


「うん、そうだね。…だから私にはその彼氏がいなくなるって考えただけで胸が苦しくなって涙が溢れ出すの…」


そう言って、ヒカルがいなくなったのを想像してしまった私の目からはまた涙が溢れ出てしまった。


   
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