彼氏の余命を知ってる彼女。
「ひ、ヒカルは後どの位で…、後どの位でヒカルの魂を持って行くんですか…」
死神の顔を見ないで聞こえるか聞こえないか位小さな声で私は呟いた。
その声が死神に届いたらしく、また分厚い本をマントから取り出してペラペラとページをめくる音が聞こえてきた。
そして静かに口を開く。
「君の彼氏の寿命はあと一ヶ月だ」
………一ヶ月。
一ヶ月後の5月10日は────
────私達の一年記念日の日だ。