≡ヴァニティケース≡
今朝、いつもより早めに起床した美鈴は、台所に立って弁当を作っていた。昨日は何者にも惑わされることなく、特に危機感を感じることもなく帰宅出来た。どういう理由か昨日に限って、誰かに監視されているような気配が無かったのだ。その安心感から、昨夜は熟睡出来たのは言うまでもない。
「病院からの帰り道じゃ図書館が開いている時間に寄れそうもないし、これから暫くは昼休みを犠牲にするしかない」
飲食店で昼食をとっていては図書館で調べ物をする時間を作れない。この非常時だ。都合が付けられるものは全て段取りしてでも時間を捻出する必要が有った。いつかこの件が解決の日を見たら、そうなって初めて平穏な日々が訪れるのだ。今はランチ巡りなどと言っている時ではない。