≡ヴァニティケース≡
「んふ、んんんー!」
侵入された途端、拘束された身体がビクンと跳ねた。男の太い指達はそのまま内壁を探り、掻き回し、それぞれが別個の生き物のように温かい湿原を這いずっている。
逆らえない。無視も出来ない。神経の遮断も叶わない。満ち潮のようにヒタヒタと迫りくる快楽を拒絶することは不可能だ。
心はその行為を嫌悪しているのに、敏感な女の身体が「とてもじゃないがまな板の上の鯉にはなれない」と叫ぶ。快感と不快感がスパークを起こし、パチパチと脳内に弾けていた。
「ほぉら……」
無遠慮に暴れまわる指が美鈴の体に火を付ける。濡れた襞はたっぷりと油が染み込んだ着火点。淫靡にくねる体は艶やかなホウロウ鍋。逆流する血液が煮えたぎるシチューと化した。