ジェフティ 約束
ラルフがごくりとつばを飲み込み喉を鳴らした。背中に背負った荷物が、急に重さを増したようにずっしりと足にきたように感じたのは、多分突然沸き起こった緊張のせいだろう。
「ここの廊下は狭い。甲冑を身に纏った男二人が並ぶことはできない」
シェシルが独り言のように小さな声でつぶやきながら、自分の背中の荷物をぐいっと持ち上げた。
「お前はまだ体が小さいから、身をかがめれば足元をすり抜けられるだろう。斬りつけられても、背中の剣は焦って抜くな。長い剣は、狭い廊下では不利になる。私が注意をひきつけるから、その間に逃げろ」
やけにゆっくりとした話し方だった。シェシルはラルフに話しかけながら、タイミングを計っていた。
「ラルフ、昨日と同じだ。この戸を開けたら私を振り返るな。自分の身は自分で守れ。そうしないと、いつまでも一人前の男にはなれないぞ」
ラルフは黙って頷いた。昨日のように足手まといにはならない。
「行くぞ!」
シェシルはそう言うが早いか、入り口のドアを蹴り飛ばし廊下に躍り出た。
「ここの廊下は狭い。甲冑を身に纏った男二人が並ぶことはできない」
シェシルが独り言のように小さな声でつぶやきながら、自分の背中の荷物をぐいっと持ち上げた。
「お前はまだ体が小さいから、身をかがめれば足元をすり抜けられるだろう。斬りつけられても、背中の剣は焦って抜くな。長い剣は、狭い廊下では不利になる。私が注意をひきつけるから、その間に逃げろ」
やけにゆっくりとした話し方だった。シェシルはラルフに話しかけながら、タイミングを計っていた。
「ラルフ、昨日と同じだ。この戸を開けたら私を振り返るな。自分の身は自分で守れ。そうしないと、いつまでも一人前の男にはなれないぞ」
ラルフは黙って頷いた。昨日のように足手まといにはならない。
「行くぞ!」
シェシルはそう言うが早いか、入り口のドアを蹴り飛ばし廊下に躍り出た。