ジェフティ 約束
ラルフは手の中に握り締めた短剣を皮の鞘から抜くと、鞘を腰のベルトに差し込んだ。胸の前で構えそのまま壁に体を押し付けて、緊張で荒くなる呼吸を整えようと深呼吸をする。
廊下では、突然飛び出してきたシェシルに驚いた兵士たちから怒号があがる。
「シェシル=デュルード!」
鎧の内からシェシルの名が挙がると、他の男たちから驚きの声が漏れた。
「悪魔の女か!」
シェシルのいらだった舌打ちと怒鳴り声がラルフの耳に飛び込んできた。
「やかましい!私の名を気安く呼ぶな!!」
蹴り破った入り口から、廊下の光が流れ込んできて、ラルフの足元に広がる。その真ん中に伸びる黒々とした影は、シェシルの長身から繋がっていた。
この宿屋には他にも宿泊している客がいる。廊下の騒ぎを聞きつけたほかの宿泊客が、何だ何だと自分たちの部屋から顔を覗かせる気配があった。
ラルフはシェシルの影をじっと見つめる。その影が手にした大振りのナイフを握りなおすと、大きく足を踏み出した。
廊下では、突然飛び出してきたシェシルに驚いた兵士たちから怒号があがる。
「シェシル=デュルード!」
鎧の内からシェシルの名が挙がると、他の男たちから驚きの声が漏れた。
「悪魔の女か!」
シェシルのいらだった舌打ちと怒鳴り声がラルフの耳に飛び込んできた。
「やかましい!私の名を気安く呼ぶな!!」
蹴り破った入り口から、廊下の光が流れ込んできて、ラルフの足元に広がる。その真ん中に伸びる黒々とした影は、シェシルの長身から繋がっていた。
この宿屋には他にも宿泊している客がいる。廊下の騒ぎを聞きつけたほかの宿泊客が、何だ何だと自分たちの部屋から顔を覗かせる気配があった。
ラルフはシェシルの影をじっと見つめる。その影が手にした大振りのナイフを握りなおすと、大きく足を踏み出した。