ジェフティ 約束
「……え?」
何も起きない。ラルフはこわごわ頭上を見上げる。ラルフに剣を振り下ろそうとしていた兵士の体が、カウンターの上で不意に傾くと、どおっと大きな音を立ててその向こうへとひっくり返った。
ラルフは混乱した頭を抱えたまま、よろよろと立ち上がり、迫ってきた兵士たちの腕の下をかいくぐりながら、カウンターから転げ出た。ラルフを串刺しにしようとしていた兵士は、完全に床の上に転がって絶命している。その首には、深々と見覚えのある大振りのナイフが突き刺さっていた。
「シェシル!」
ラルフが一瞬顔を上げると、シェシルはまだ踊り場の辺りで、兵士たちと組み合っている。手にはもう何の武器も持ってはいなかった。
――どうしよう!
ふと、シェシルと目が合った。シェシルは目線だけで宿屋の入り口をラルフに示す。
ラルフはもう自分だけでここから出るしかないと覚悟を決めて、体勢を低くし、立ちはだかる大きな体の兵士の足元に飛び込んだ。
何も起きない。ラルフはこわごわ頭上を見上げる。ラルフに剣を振り下ろそうとしていた兵士の体が、カウンターの上で不意に傾くと、どおっと大きな音を立ててその向こうへとひっくり返った。
ラルフは混乱した頭を抱えたまま、よろよろと立ち上がり、迫ってきた兵士たちの腕の下をかいくぐりながら、カウンターから転げ出た。ラルフを串刺しにしようとしていた兵士は、完全に床の上に転がって絶命している。その首には、深々と見覚えのある大振りのナイフが突き刺さっていた。
「シェシル!」
ラルフが一瞬顔を上げると、シェシルはまだ踊り場の辺りで、兵士たちと組み合っている。手にはもう何の武器も持ってはいなかった。
――どうしよう!
ふと、シェシルと目が合った。シェシルは目線だけで宿屋の入り口をラルフに示す。
ラルフはもう自分だけでここから出るしかないと覚悟を決めて、体勢を低くし、立ちはだかる大きな体の兵士の足元に飛び込んだ。