ジェフティ 約束
「頼まれると、断れない性質だろう?」
「っとに、お前はなぁ、少しは自分の置かれている状況を把握しろよ。子供のピクニックに行くんじゃないんだぞ」
シェシルが脱力して肩を落とし、馬に跨るのを見ながら、ラルフは笑いをこらえるのに必死だった。
ラルフたちは森に分け入り、ベチカ山脈群に属する山々の峰を登り始めた。鬱蒼と茂った森を一旦抜け、垂直に切り立った岩場に囲まれた渓谷に分け入ること三日目にしてようやく追っ手を振り切ることができたと、シェシルは判断したようだった。
黒々とした原生林に守られるようにして、透き通った水を絶えず山肌に伝わせ続ける渓谷を抜けると、足元は大小さまざまな岩に覆われ、ところどころに低木の常緑樹しか生えていないような荒涼とした景色へと変化していった。
三人を悩ませたのは歩きにくい足元だけではない。突如として発生する濃い霧が、一寸先も見通すことができないほどに辺りを多いつくすことが増えたことも、前進を遅らせる原因になっていた。
「っとに、お前はなぁ、少しは自分の置かれている状況を把握しろよ。子供のピクニックに行くんじゃないんだぞ」
シェシルが脱力して肩を落とし、馬に跨るのを見ながら、ラルフは笑いをこらえるのに必死だった。
ラルフたちは森に分け入り、ベチカ山脈群に属する山々の峰を登り始めた。鬱蒼と茂った森を一旦抜け、垂直に切り立った岩場に囲まれた渓谷に分け入ること三日目にしてようやく追っ手を振り切ることができたと、シェシルは判断したようだった。
黒々とした原生林に守られるようにして、透き通った水を絶えず山肌に伝わせ続ける渓谷を抜けると、足元は大小さまざまな岩に覆われ、ところどころに低木の常緑樹しか生えていないような荒涼とした景色へと変化していった。
三人を悩ませたのは歩きにくい足元だけではない。突如として発生する濃い霧が、一寸先も見通すことができないほどに辺りを多いつくすことが増えたことも、前進を遅らせる原因になっていた。