ジェフティ 約束
「川まで降りてみるか」
シェシルは、足元に生える下草を踏み分けて、斜面を下り始めた。
「増水してるはずだから気をつけろよ」
ラルフはその背に声をかけたが、シェシルは背中に担いだ荷物の重さなど気にも留めていないような足取りでずんずんと降りていってしまった。
ラルフとインサもシェシルに遅れないように懸命に斜面を下り始める。夜半の雨も弱まり、時折薄日が差してはいたが、足元の下草はじっとりと濡れている。ずるずると滑りながら、川岸の手前で立ち止まって川を見つめていたシェシルの背中に、二人はぶつかるようにしてようやく立ち止まることができた。
「どう?渡れそうなの?」
シェシルは一瞬黙ると、ラルフとインサの肩を押して、自分の背中に隠すようなしぐさをした。
「いや、無理そうだ」
シェシルがそうつぶやいた時、川上から重々しい足音がこちらに近づいてくるのが聞こえてきた。ラルフとインサは身を硬くして木の幹の影に身をよせ、じっと息を潜めた。その足音はどんどんと近づいてくる。
シェシルは、足元に生える下草を踏み分けて、斜面を下り始めた。
「増水してるはずだから気をつけろよ」
ラルフはその背に声をかけたが、シェシルは背中に担いだ荷物の重さなど気にも留めていないような足取りでずんずんと降りていってしまった。
ラルフとインサもシェシルに遅れないように懸命に斜面を下り始める。夜半の雨も弱まり、時折薄日が差してはいたが、足元の下草はじっとりと濡れている。ずるずると滑りながら、川岸の手前で立ち止まって川を見つめていたシェシルの背中に、二人はぶつかるようにしてようやく立ち止まることができた。
「どう?渡れそうなの?」
シェシルは一瞬黙ると、ラルフとインサの肩を押して、自分の背中に隠すようなしぐさをした。
「いや、無理そうだ」
シェシルがそうつぶやいた時、川上から重々しい足音がこちらに近づいてくるのが聞こえてきた。ラルフとインサは身を硬くして木の幹の影に身をよせ、じっと息を潜めた。その足音はどんどんと近づいてくる。