ジェフティ 約束
 男たちの話し声がだんだんと小さくなり、夜が更けて雨脚が強くなり始めると、周囲は息苦しいほどの暗闇と草木を叩く雨粒の音に支配された。
 ラルフは、顔を覆うようにかぶったフードを容赦なく激しく叩く雨に一睡もできず、まんじりと時間が過ぎ行くのをただ待つしかなかった。
 隣で身を丸めているインサは、深い眠りに落ちたのか体がぴくりとも動かない。シェシルの体の輪郭も、岩肌にぴったりと張り付いたように同化してしている。二人とも眠っているようだ。
 ラルフは目を擦ってゆっくりと体を起こした。胸に抱いていた硬い金属の感触に再び手を伸ばし、しっかりと握り締めると、そっと立ち上がり岩場の影から顔を出して、男たちが野営をしている方を覗き見る。
 どうやら夜半から強くなった雨に大きな焚き木は消えてしまったようだ。その周囲に作られた雨よけの小さな屋根の中で、ぼんやりと三角に切り取られた小さな光がいくつも見える。男たちは簡単な雨よけの屋根を張り、その下で休んでいるようだ。そこからもれた光で、馬たちが木陰に繋がれ、身を寄せ合っているのが確認できた。
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