ジェフティ 約束
 策に秀でたアスベリアと、戦闘に長けるノリスは次々と目覚しい功績を挙げてゆく。しかし、それでもコドリスの不穏な動きは治まることなく、お互いの国境はざわざわと常に落ち着かなかった。
「オレたちがいれば、この国は大丈夫だよな」
 チェス盤を挟んで、アスベリアが言う。ノリスは眉をひそめ低い声で諌(いさ)めた。
「驕(おご)るなよアスベリア。敵はいつも先手の駒を持っていると思え。そんなことではいつか足元をすくわれる」
「わかってるよ」
 二人は戦いの合間でも常に行動を共にするようになっていた。コドリスの動向、国の内情の調査。さまざまな事を二人で話し合った。時には、意見を激しくぶつけあい、組み合いの喧嘩も多々あった。
 ノリスは、そんな中でもよく自分の生まれ育った村の話しをして聞かせた。そして、シンパを巡るコドリスとの争いが避けられない状況になってくると、重い税に苦しんではいないか、作物の収穫は順調なのかと、しきりに心配していた。
「そんなに心配するなよ。戦争が終わって村に帰ったって、所詮、オレたちには居場所なんてないんだ。疎ましい目で見られるだけさ」
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