ジェフティ 約束
辺りを包んだ濃い霧は、しばらく消えることはないようだった。周囲は薄暗く、ラルフとシェシルの前を歩いているインサの背中も白く霞んでしまっていた。しかし、遠くの方で小さな灯りがいくつも揺れているのはなんとなく見える。
「あの辺りが、さっきの巨人の立ってた辺かな」
「ん、まあ、多分そうだろう。橋の脇に灯りが灯されたんじゃないか?この霧のせいで、橋や湖の淵から落ちる旅人が多いそうだから」
――お前も間違って落ちたりするなよ――とシェシルは苦笑交じりに呟くと、ラルフの背中を軽く押して湖の淵から離れ、城へと続く道を進み始めた。
石造りの堅牢な橋げたが見えてきた。幅は想像していたよりも狭く、岸には黒い鎧を身につけ槍を手に立つ兵士たちが、行き交う旅人たちに鋭い視線を投げかけている。旅人たちは、一様に兵士たちと目を合わせようとせず、皆早くここを通り過ぎたいというかのように前方を見つめていた。
ラルフたちも黙ってその列に加わり、ゆっくりと兵士たちの前を通り過ぎた。ラルフは周囲の人間に自分の跳ね上がり激しく胸を打つ鼓動が聞こえているのではと、思わず握った拳を胸に当て、息をつめる。
「あの辺りが、さっきの巨人の立ってた辺かな」
「ん、まあ、多分そうだろう。橋の脇に灯りが灯されたんじゃないか?この霧のせいで、橋や湖の淵から落ちる旅人が多いそうだから」
――お前も間違って落ちたりするなよ――とシェシルは苦笑交じりに呟くと、ラルフの背中を軽く押して湖の淵から離れ、城へと続く道を進み始めた。
石造りの堅牢な橋げたが見えてきた。幅は想像していたよりも狭く、岸には黒い鎧を身につけ槍を手に立つ兵士たちが、行き交う旅人たちに鋭い視線を投げかけている。旅人たちは、一様に兵士たちと目を合わせようとせず、皆早くここを通り過ぎたいというかのように前方を見つめていた。
ラルフたちも黙ってその列に加わり、ゆっくりと兵士たちの前を通り過ぎた。ラルフは周囲の人間に自分の跳ね上がり激しく胸を打つ鼓動が聞こえているのではと、思わず握った拳を胸に当て、息をつめる。