好きだ好きだ、大好きだ。
「かっこいいなぁ」
思わず、そう呟いていた。
本当にほとんど無意識だったし、そんなに大きい声じゃなかったはず。
――それなのに。
「そりゃーどうも」
後ろから聞こえた声に、一気に血の気が引いた。
「ななな夏希君っ!!」
「ん?」
「あのっ!! カ、カッコいいよね!! こ、この人、ほらっ!!」
そう言って指をさしたのは、どう見てもかっこよくない、相手校の監督で……。
「まぁ、人の趣味は色々だからな」って、本当は夏希君のことを言っていたって気付いていたくせに、わざとらしく爽やかに笑われた。