好きだ好きだ、大好きだ。

そんな私に、一瞬驚いたように目を見開いた夏希君。そして何故か、また頭をポリポリと掻いたあと、その表情をコロッと変えて言ったんだ。

「じゃー、あの日の試合は、ちゃんと観てなかったワケだ」

夏希君の言う“あの日の試合”というのは、きっとまだ夏希君と仲良くなる前に、うちの学校でやっていた練習試合の事だと思う。

「そっ、そういうわけじゃないけど……。だってあの時、夏希君だって気付いたの、最後の1球でだったし」

言い訳を口にしながら、唇を尖らせる私を覗き込む、そのいたずらっ子のような表情にもだいぶ慣れた。

だけど……

「嘘。冗談だよ。兄貴が撮ったやつだから、残念ながらハナちゃんのタイプのアイツより、俺の方がいっぱい映ってるけど」
「……」
「好きなだけ観てていいよ」

初めてその大きな手で、髪をクシャッと撫でられて――。
また心臓をバクバクさせた私の顔は、きっと夏希君にもバレバレなくらい真っ赤だったと思う。

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