好きだ好きだ、大好きだ。
右……。
ここかな?
さっき夏希君がシャワーを浴びると言って入っていった扉の、ちょうど斜め向かい辺り。
同じデザインの木製の扉を、ちょっとドキドキしながら開く。
「……」
リビングよりも少しだけ物が多いその部屋は、夏希君が言っていた“寝室”に間違いはなさそう。
私のベッドよりもちょっと大きいそのベッドは、きっとセミダブルくらいで……。
生意気なっ!!
なんて、冗談だけど。
足元に転がっていたマンガはやっぱり野球のマンガで、夏希君らしいなぁなんて、のん気に笑ったあと、
「……え?」
カギを取ろうと近寄った机の数歩手前で、立ち止まった。
“立ち止まった”というよりも、“動けなくなった”っていう表現の方が正しかったのかもしれないけど。
その時の私にとって、それはどっちでもいい事で……。