好きだ好きだ、大好きだ。
「……っ」
「夏希君はねー」
クスクスと笑う彼女は、きっと学校での夏希君の様子なんかも知っていて、もしかしたら、同じクラスだったりするのかもしれない……。
対する私は、ただバイト終わりの数時間、一緒にたわいもない話をするだけの関係。
息を呑んで下を向いた、その時だった。
「“夏希”って呼ぶの、やめてくんない?」
その声にハッとして、顔を上げた。
「若松。何でお前、ハナちゃんに絡んでんの?」
「城戸……君」
見開いた瞳に映るのは、不機嫌そうに眉をよせる夏希君と、気まずそうに視線を逸らして俯く“若松さん”という名前らしい、女の子の姿。
さっきまでの“夏希君”という呼び方を引っ込めて、今は“城戸君”と、そう口にした。