好きだ好きだ、大好きだ。
「大丈夫?」
「う、うん」
「……そっか」
私の言葉に、ホッとしたように表情を緩めた夏希君だったけど、どうしてここにいるのかが私にはわからなくて……。
「どうして、ここにいるの?」
そう口にして、首を傾げた私の頭に、ポスッと乗せられたのは、夏希君の野球帽だった。
「……え?」
「太陽すげぇ出てるから、かぶってて」
そのまま帽子の上に乗せられた手が、すごく熱くて。
心臓が、もうどうにかなっちゃったんじゃないかっていうくらい、ドクドクと音を立てる。
「でも……いいの? 試合の時、かぶるでしょ?」
「あと一個あるから。しかも俺キャッチャーだから、あんまりかぶらないし」
そう言って笑った夏希君は、亜矢ちゃんに向き直って“で、こっちはお友達に”と、フェイスタオルを差し出した。