好きだ好きだ、大好きだ。
夏希君……。
あなた、どこまでいい人?
そして、どこまで気遣い屋さんなの?
じーんとする胸を押さえる私の隣で、さっきまでぶつくさと文句を言っていた亜矢ちゃんは
「あんた、気ぃきくじゃーん! うんうん。ナイス気遣い!」
なんて満面の笑みを浮かべると、手渡されたタオルを頭にバサッとかぶった。
この子は本当に……。
「夏希君、」
“ありがとう”――そう言おうとして、ハッとした。
頭に浮かんだのは、さっきの夏希君の低い声。
――“夏希って呼ぶの、やめてくんない”
そうだよ。だって、最初から言ってたもん。“夏希”っていう名前が好きじゃないって。
それなのに私は“夏希君、夏希君”って、馴れ馴れしく……。
「き、城戸君」
「はっ!?」
悶々と考え込んで、その苗字を口にした私に、夏希君は心の底からの“はっ!?”を浴びせた。