好きだ好きだ、大好きだ。

「ちょっとー、いいじゃん夏希くぅん。あ、間違えた。“城戸君”だったぁ」

観客席に戻った私の隣には、当然ながら、私をからかいたくて仕方がない様子の亜矢ちゃんが座っている。

だけど、私は色んな意味でそれどころじゃない。

「ちょっと華! もっとテンション上げて行こうよー! てか、ちゃんと観てる!?」
「観てるよー」
「お宅の旦那、3打数2安打よー。もう1本だって、相手のファインプレーだったしー」
「……うん」
「こうしてみると、キャッチャーもなかなかいいね。あ、でもピッチャーの方が華があるけど」

楽しそうにはしゃぐ亜矢ちゃんの言葉に相づちを打ちながらも、それに集中できないのは、頭の中をぐるぐる回る言葉のせい。

「ちょっと、華ー?」
「うん?」
「どうした? ヘン。いつもよりもっとヘン!」

ホントにひどいな、この人。

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