好きだ好きだ、大好きだ。
「……大丈夫か?」
目の前の空気がフワッと動いて、誰かがそこにしゃがみ込んだ気配がした。
「大丈夫」
顔を上げると、そこにいたのは私の顔を覗き込む夏希君で。
「よかった。熱中症にでもなったのかと思って焦った」
そう言って、ホッとしたような表情を浮かべる。
あー、動悸がー。
熱中症にはなっていないけど、動悸がひどい。
それに、顔の火照りも……。
「亜矢ちゃんが……」
「は?」
「タオル持って行っちゃった」
「……」
「“日焼けすんのやだー。城戸君に借りるって言っといてー”って」
真っ赤な顔を見られたくなくて、うつむいて帽子を差し出す私の手から、“藤堂も大変そうだな”って、そんな言葉と共にそれが抜き取られて。
オズオズと視線を上げると、少し日焼けをした夏希君が、ものすごく楽しそうに笑っていた。