その仮面、剥がさせていただきます!
この時、教室中の生徒があたしに注目していたと思う。
でも、あたしは王子のキレイな目だけを睨むように見据えていた。
少しの沈黙の後、王子の口が開きかけたとき、また邪魔が入る。
「ははん。分かったぞ。『私って他の女とは違うのよ』ってアピールしたいんだろ。そんな手には乗らねえよ。陸人はもう誰とも付き合わねえの。残念でした。山猿はとっとと仲間の群れの中に帰るんだな」
あたしの眉が片方上がる。
そして、初めて隣の男と目が合った。
「あんたには聞いてない。あたしが用があるのはこの人!ちょっと黙ってて!!」
煩い男を一喝すると、口をパクつかせながら唖然とした男は放っておいて、再び王子の答えを待った。
明日の今頃にはきっと{王子が初めてフッた女}という称号で全校生徒から注目される。
哀れみの目を向けられたり、陰で笑われたりするんだろうな……
なんて可哀想なあたし……
ええい。こうなったら、王子にフラれた瞬間にホントのことを言ってやる。
そんで。
『あんたは女の敵よ。ば~か!誰があんたなんか好きになるかってんだ。ば~かば~か』
っていう捨て台詞吐いて立ち去ってやるんだからっ。
早くフレってんだ。ボケナス王子!!