その仮面、剥がさせていただきます!



「…………ら。……えはら!」

「りっちゃん……」

「え?」

後ろの席のユメカに背中を押されると、あたしはやっと机の上から顔を上げた。


「うえはら~~!お前いい度胸してんな。それはこの授業がつまらないって主張してのことか?あ?」


答えれるものなら答えてみろよと言わんばかりの、英語教師、澤田先生の顔があった。眉間に寄っているシワから怒っていることが伺える。


二十代後半の学園でも若くて女子生徒からまあまあ人気のある澤田ティーチャーがあたしの席までくると、上から迫力ある顔で睨みつけてきた。


「あの……」


これはいったい……


現実の世界に引き戻されたばかりで、ことの成り行きが分からないあたしの顔に澤田ティーチャ―の顔が近づいてきた。


それはもう、恐ろしく怖い顔をして……


「それとも、それはこのクラスで流行ってるのかな~。お。見たところ、そんな格好してるのは上原しかいないんだけどな。なあ。説明してくれよ」


いつもはにこやかな澤田先生。だから余計女子に人気なんだけど……



今の澤田先生は顔は笑っていても、怖い雰囲気を漂わせている。それはもう恐ろしいほどに……




ひィィィィっ



いったい何のことでしょうか?




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