月を狩る者狩られる者
「ん? 何、あの男から逃げてんの?」

ナンパ男が私の視線の先を見て、察して言った。


「あーもう、そうよ!」

私はもうやけっぱちで叫ぶ。

今はナンパ男の事より、朔夜の顔を見たくない気持ちの方が強かった。


「じゃあついて来いよ。撒いてやる」

「へ? はあ!?」

私の返事も聞かずにナンパ男は私の手を引いて走く。

引っ張られて転びそうになる。
転ばないためには一緒に走るしかない。

私は仕方なくナンパ男について行った。


「望!」

後ろで朔夜の声が聞こえたけど、私は振り返りもせず無視した。
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