月を狩る者狩られる者
ずっと手を引かれて走って、ずいぶんと入り込んだ場所で止まる。


私は息を整えながらナンパ男に言った。

「とりあえずは、ありがとう……でももういいから。手、離して」


「それはダメだね。あんたをある人のところまで連れて行かなきゃならない」

ナンパ男はそう言うと、私を引き寄せ抱き上げた。


「なっ!? ちょっと!」

抗議しようとしたら、顔が近づいて来る。


「何をっ……!?」

キスされると思った。


でもナンパ男は私の顔を逸れ、首筋にその顔を埋めた。

「触り心地良さそうな肌してるぜ。あの人のモノじゃなかったら今すぐ犯してやるのに」

耳元で囁かれ、首筋に息がかかる。

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