月を狩る者狩られる者
自分がこんなに弱いとは思わなかった。

何人もの違反吸血鬼を捕まえていたから、強くなっていると思っていた。


確かに強くなった。

何も出来なかった昔よりは。


でも、精神面は弱いままだったらしい。


恐怖を感じてしまうと、身がすくんで思うように体が動かない。


初めて朔夜と会ったときもそうだった。

朔夜の美しさに恐怖を覚え、思わず体が逃げようと後退りしていた。


そう。

私は植えつけられた恐怖を、未だに克服など出来ていなかったんだ。



「ぃやだぁ……」

自分の弱さを思い知らされ、泣きそうな声で訴える。
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