月を狩る者狩られる者
朔夜は男が当分動かないことを確認すると、今度は私に向かって来る。

私は思わず後退りした。


だって、朔夜の目は変わらず冷たい。

……ううん。
冷たい中に、ひそかに炎が見えるかのよう。

朔夜は、怒っていた……。



でも、ここまで近付かれてしまってから朔夜から逃げることは無理だ。


すぐに目の前に来られ、腕を掴まれた。


引き寄せられ、顎を強く掴まれる。

「うっ」

静かな怒りをたたえた瞳が私を睨む。



そして私は、喰われた……。
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