月を狩る者狩られる者
「うっふぅ、ん……ひっく……」

唇は塞がれていても、嗚咽は漏れるため朔夜もすぐに気付く。


「泣くか? いいさ、泣いて嫌がる姿に俺はそそられるからな」

そう言って朔夜は皮肉気にクツリと笑う。


そんな朔夜に腹が立ったけれど、私はまず誤解を解きたかった。

「私そいつに好きでされてたわけじゃない!」

はっきりと言ったけれど、朔夜は納得しなかった。


「じゃあ何故こいつと一緒に俺から逃げた?」

「っ! それは……」

「答えられないなら、このまま黙ってヤられてろ」


冷たく言った朔夜は、顎を掴んでいた手を喉(のど)を伝って下げ、鎖骨を撫でた。
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