月を狩る者狩られる者
腕が自然と朔夜の背に回る。

思わず、抱き返そうとしていた。


でも――。



「うっぐぅ……」

突然朔夜がうめき声を上げて私を離した。

見ると、倒れていた男が朔夜を羽交い締めしている。



「ノンキにイチャついてんなよ。それにその女はあの人……十六夜(いざよい)さんのモノだ。テメェは邪魔だよ!」


男はそう叫ぶと、朔夜の首筋にかぶりついた。


「ぐっ!」



こいつ、吸血鬼!?


こんな状態になって初めて気付いた。

だって吸血鬼と人間の違いなんて、普通はあまり分からない。
< 115 / 421 >

この作品をシェア

pagetop