月を狩る者狩られる者
「大人しくしてろよ? 行く……ぜ…?」


突然、男の様子がおかしくなった。

私を捕まえている腕の力が弱まり、顔に脂汗がにじんでいる。


「な、んだ……これは……? 何かが、体の中で……暴れてっ!?」

私を離して、男は苦し気に喉と胸を掻(か)くように押さえた。

そのままヒザをついた男の苦しみ様は、異常だった。


「うっぐああぁ! くっがあっ!」


うめき、地面をのたうちまわる。



私は男の異常な苦しみ様に、目を見開き後退った。


朔夜のところまで戻ると足を止める。
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