月を狩る者狩られる者
私の怯えた様子に男は目を細めて笑う。

「知っているか? 男はな、怯えられるほど追い詰めたくなるもんなんだぞ?」

「あ……ぅんっ!」


男は言い終えると、自分の唇と私の唇を重ねた。



乱暴な、それでいてどこか優しいキス……。


男の舌が、私の怯えた舌を絡めとる。

その男の慣れた仕草に、私は目を閉じて眉間に少しシワを寄せた。


私は段々……男の唇から、舌から、顎を掴む指先から伝わる熱に、侵されていく。
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