月を狩る者狩られる者
「さあ、おいで望。君は僕のモノだ。……僕のモノじゃなきゃいけないんだ」


私はそんな十六夜の狂気に満ちた目を睨もうとしてやめた。

朔夜の言っていたことを思い出したから。


『奴の目を絶対に見るな』


目を見たら催眠術をかけられて、戦うことすら出来なくなる。


目を見たらダメ……。


目の代わりに、私は十六夜の喉の辺りを睨んだ。


「私は貴方のモノになんか絶対ならない! 私の全ては朔夜のものよ!」

私の言葉は、十六夜を怒らせるには十分だったらしい。


「うるっさーい! 君の意思なんてもうどうでもいいんだ! 僕は君を自分のモノにする!」


狂ってしまっている十六夜は、自分がもうヤケになっているのと変わらないことに気付いていない。


ある意味哀れ……でも!
 
 
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