月を狩る者狩られる者
「ぐぁっ!」

十六夜は呻き声を上げ膝(ひざ)をつく。


本当なら、女の私の一撃で膝をつく程の打撃は与えられない。


でも、錯乱している十六夜にはその程度の打撃すらもショックが大きいみたいだった。

「なっ……こんな。望ぃ?」


子供の様に私を呼ぶ十六夜に、私は顔をしかめた。



嫌悪とか、憐れみとか、色んなものが混ざった感情。

私はそれを吐き出すかのように、渾身の一撃で十六夜を気絶させた。


ドサッと音を立て地面に倒れる十六夜。

「……」

思っていた以上に、あっさりと終わった……。


ううん、まだだ。協会に引き渡さないと。


そう、まだやることは残っている。

これで終わりじゃない。
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