月を狩る者狩られる者
ホッとした瞬間、後ろにゾッとするような気配を感じた。

その正体を確かめる前に、私はソレに後ろから抱き締められる。


「アハハ。やぁっと捕まえたよ。望」

胸を痛いほどにわし掴まれ、私は嫌悪感を抱きながら先ほどの違和感の正体を知った。


十六夜は、気絶したフリをしていただけ。

私が油断するのを待っていたんだ。


「あぁ……望。もう離さない」

私が暴れようと身じろぐのをいとも簡単に押さえつける。


「離して!」

そう叫ぶ私の声も聞こえていないようだった。



そうしていると、朔夜が最後の一人を倒しこちらに向かって言った。


「まったく。望、油断するんじゃない」

呆れたもの言いには余裕があり、それだけで私は安心してしまう。

助けてくれるのだと信じられるから。
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