月を狩る者狩られる者
牙があてがわれると、受け入れるという意思表示に朔夜の首に腕をまわした。



次の瞬間、覚えのある痛みを感じる。

二度目でも、痛いものは痛い。


「くっうぅ!」

私は痛みを堪えるために、呻き、朔夜の肩に爪を立てた。


前と同じ様に、痛みは少しずつ消えていく。

朔夜の手が私の身体に直に触れてきて、まるで抱かれているみたい。



そうだね朔夜……最後の瞬間まで触れていて。

私の感触、覚えていてね。


吸われる血と共に、薄れゆく意識の中でそう思った。


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