月を狩る者狩られる者
涙が収まってくると、ある疑問が浮かんできた。
殺すつもりじゃなかったのなら、何故血を吸ったのか。
吸った後の何かを入れられるような感覚。
アレも謎のままだ。
そしてもう一つ。
さっきから何故か体が思うように動かせない。
……どうして?
「ねえ、朔夜? 殺すつもりでなかったんなら、さっきは何をしたの?」
取りあえず、一番疑問に思うことを聞いてみる。
ただ血を吸ったというにはおかしすぎた。
でも、この質問の答えは全く予想していないもの。
私は、本当に死ぬほど驚くことになった。
「ああ、お前を吸血鬼にしたんだ」
さらりと、言った。
「っええぇえ!?」
私はたっぷりと間を開けておきながら、そんな素っ頓狂な叫びしか出せなかった。