月を狩る者狩られる者
「口移しなら飲めるみたいだな?」
目を細めて、朔夜はとても楽しそうだ。
私はそんな朔夜にドキドキする。
朔夜が楽しそうにするのは、決まって私をいじめるとき。
いじめるのは、朔夜の愛情表現。
だから私は、その愛情が欲しくてドキドキする。
無意識に、朔夜がもっといじめたいと思うように頬を染めながら困った表情を作る。
朔夜いわく、私のそういう表情がそそるんだとか。
案の定、朔夜の手が緩やかに私の頬を撫でた。
そして、片手に持った血液パックを見せながら言う。