月を狩る者狩られる者
「それに、弱い者が強い者に逆らえるわけがない」


耳元で囁かれた言葉は毒のように私の心を犯していった。

でも私はその言葉を受け入れたくなかった。


「弱いからって逆らえないなんてことは無いわ。窮鼠猫を咬むって言葉、知らないの?」

挑発的に言ってみる。


「知っているさ。でもそれは、最後の力を振り絞ってやっと出来ることだろう?」


……挑発も虚しく、簡単にあしらわれた。


やっぱりムカつくコイツ……。


「……ぐだぐだと理屈を並べても仕方ないな。何にせよ、俺がやると決めた時点でゲームは始まっているんだ」


そう言うと同時に、朔夜は後ろを振り返った。

それにつられるように、朔夜をはさんで向こう側を見た私は気付く。


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