月を狩る者狩られる者
私の視線の先には、さっき倒してロープでぐるぐる巻きにした吸血鬼が、イモムシよろしくウネウネと這って逃げようとしている姿があった。


あっ! あいついつの間に!?


「まったく……往生際の悪い奴だな」

朔夜は悪態をつくように言うと、這って逃げようとしている吸血鬼に近づきその背を踏みつけた。


「ぐぎぁ!」


「吸血鬼の恥さらしが……本来なら今すぐこの世から抹消してやりたいところだが……」

そこで一旦言葉を止め、朔夜が私の方を見た。

言葉の通り殺されては困る私は叫ぶ。

「そいつは協会に連行しなきゃないの! 殺されちゃ困るわ!」
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