月を狩る者狩られる者
そう言って握手を求められたので私はほとんど反射的にその手を握り返した。


「ん?」

すると、朔夜が何かに気付いて方眉を上げる。


「おい、沙里。また唇に血がついてるぞ?」


「え? うそ!?」

慌てて口元を手の甲で拭う沙里さん。


「あ、本当。……もう、やんなっちゃう」

可愛らしく悪態をついた沙里さんは、私に目線を戻し困ったようにはにかんだ。


「ごめんなさいね? 私どうしても血液パックから血を飲むのが苦手みたいで、いつも口の周りとかにつけたままにしてしまうの」

手についた血を取り出したハンカチで拭きながら言う。
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