月を狩る者狩られる者
「望ちゃん愛されてるわね~」
沙里さんの声に、私は向きを元に戻した。
それと同時に「え?」と聞き返す。
「だって朔夜、貴方の事気に掛けてこっちを何度も見てるじゃない。もう片時も離したくないって感じね」
「そ、そうですか?」
何だか、他人に言われると妙に恥ずかしかった。
「でも安心したわ。朔夜って何かに固執すること無かったから……」
そこで一度言葉を切った沙里さんは、頬杖をつき少し身を乗り出す。
私の顔を覗き込んだ。
「執着した相手が貴方みたいな子で本当に良かった」