月を狩る者狩られる者

心臓、破裂しそう。



ドクドクと脈打つよりも早い。

ドッドッドッ、と太鼓を鳴らしているみたい。


その姿を見ただけで。

その声を聞いただけで。


魅せられる……。



気絶しそう。




「おい、聞いてるのか? どうしたんだ」

もう一度聞かれ、私は声を絞り出すように答えた。


「だって……朔夜、その美しさ……」

鼓動が激しすぎて呼吸しづらい。

言葉も、切々にしか言えない。
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