月を狩る者狩られる者
それでも言いたいことは伝わったのか、朔夜は答えた。

「ああ、今日は新月だったな。新月の夜は、俺の魔力が上がるんだ」

何も無い真っ黒な空を見上げた朔夜に聞き返す。


「魔力……?」

「そうだ。まあ、全体的な力とでも言うのか……要は体力が上がり、美しさも増すということだ」


そう言ってまた視線を戻されて、私の呼吸が一瞬止まる。


も、ホント勘弁して……。


「吸血鬼にはそういう日が月に一度あるんだ。俺はこの名前のせいか、朔の夜……つまり今日のような新月の夜にそうなる」


そう説明し終えた朔夜は、私の腰を引き寄せ顎を捕らえた。



ちっ! 近い!!

顔っ……近すぎる!!

 
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