月を狩る者狩られる者
「これは、私の推測でしかないんだけど……」

そんな私に沙里さんが語りかける。


「朔夜がいなくなったことと、例の少量吸血事件。関係があると思うの」

「そうですね。朔夜、その繋ぎ役を見つけに行っていなくなったんですし……」


「ええ。それもあるのだけれど、他にも気になることがあるのよね……」

「気になること?」


そう私が聞き返すと、沙里さんは口元に手を当てて少し黙った。


「……ごめんなさい、これは確信がもてないの。もう少しちゃんと調べてから言うわ」


今聞きたい気がしたけれど、あまりにも不確かなことだったらぬか喜びにもなりかねない。

私は数秒迷って――。


「……はい」

と答えた。
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