月を狩る者狩られる者
『名はそれだけで力を持つ。ツクヨミが俺と共通の名前を付けられた時点で、俺とツクヨミは……まあ、簡単に言うと似た存在になったんだ』

不本意なことだったがな、とぶつくさ聞こえた。


『とにかく、似た存在だからこそこうやって意識を移すことも出来るんだ』

「ってことは、意識だけツクヨミを通じて会話してるってこと?」

『そうだ』


短く答えた朔夜に私はがっかりした。


朔夜が帰って来た訳じゃないんだ……。

でも、声すら聞こえない今までよりはずっとマシ。


「朔夜は? 意識だけじゃない朔夜は何処にいるの?」

それは今の私が一番知りたいこと。

どんなに探しても手がかりさえ見つからなかった……。


朔夜の居場所――。


『分からない』

「そんな!?」
< 325 / 421 >

この作品をシェア

pagetop