月を狩る者狩られる者
目的地は朔夜が消えた公園付近。

その辺りなら朔夜の言っていた繋ぎ役と接触しやすいかもしれない。


「あ、ちょっと待って」

でも、そのまま喫茶店を去ろうとした私に沙里さんが声を掛けた。


「こっちでも色々調べてみるわ。もう一度その首謀者の名前を教えてくれる?」

沙里さんの質問に、私は朔夜が一度だけ言ったその名を思い出した。


「コトハ、です」


「コトハ……。分かったわ、有り難う。……望さん、元気が出たみたいで良かったわ。頑張って!」

最後の励ましの言葉に心から感謝し、私は沙里さんに笑顔を向けて今度こそその場を去った。



朔夜が待ってる……そう思うだけで私は頑張れる。

昨日までの絶望が嘘のように消えていた。



今はただ、朔夜の元にたどり着くことだけを考えていた……。




 
< 339 / 421 >

この作品をシェア

pagetop