月を狩る者狩られる者
確かに今『他の部屋』って言った。

それは同じ建物内だから言える言い方だ。


案の定クレハはしまったという顔をした。

「あちゃー……でも会わせられないのも本当だし。会わせることが出来るとしても会わせてあげない」

そうクレハが言い終えると、ベッドのスプリングがギシッと鳴った。

クレハが私に覆いかぶさる。

そのまま顎を強く掴まれ、口を開かされた。


「んんぅ!」

突然のこと。

こんなことまでしてくるとは思わなかった私は抵抗らしい抵抗もできなかった。


唇が触れ、何か濃厚な液体が入ってくる。


いつの間に口に含んでいたんだろう?

それは血液だった。

 
< 362 / 421 >

この作品をシェア

pagetop