月を狩る者狩られる者
鎖が切れた音にクレハは反応して私を見上げる。

起き上がると「ひぃっ!」と短い悲鳴を上げてしりもちをつき、後退りした。


久々に起き上がって上手く動かない体をほぐしながら、私はクレハの様子を探る。

恐怖に打ち震えて今にも泣きそうだ。


私、そこまで怖がられるようなことした?


そう疑問に思っていると、クレハがまた謝罪の言葉を呟き出す。



「ごめんなさい。ごめんなさい……手を……出しちゃいけなかったんだ……」

「え?」


“ごめんなさい”以外の台詞に、私は聞き返す。
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